所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例について

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2020年08月11日

所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例について

自宅を売却した際に、売却利益が発生した場合の税金控除について昨日は3,000万円特別控除のお話しをさせて頂きました。
 

今日は譲渡所得の税金控除の2回目として所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例についてお話ししたいと思います。

所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例とは?

タイトルの名称だけ聞くと、もの凄く長い名称でよく分からないという方もいるかもしれませんが、自宅を譲渡(売却)した年の1月1日現在において、所有期間が10年を超えている場合に利用できる特例になります。
 

ここでポイントとなるのが所有した日から10年ではなく、その年(売却した年)の1月1日現在で適用の有無が決まることです。
 

【例題】2010年5月に購入した自宅を2020年8月に売却した場合、所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例は適用できるか?
 

結論をいいますと、上記の内容ではこの軽減措置の適用は受けることができません。所有期間だけだと2010年5月~2020年8月までなので10年3ヶ月になり所有期間は10年を超えています。しかし、適用を受けるためには売却した年の1月1日現在で所有期間が10年を超えていることが必要となり、今回の例題だと1月1日現在では所有期間が10年を超えていませんので軽減措置を受けることはできません。つまり今回のような事例で軽減措置の適用を受けるためには翌年の2021年以降に売却する必要があります。
 

ポイントしては所有期間の捉え方が実際とは違うということになります。

所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用条件は?

所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用条件としては下記となります。
 

①所有期間(家屋・敷地いずれも)が譲渡した年の1月1日において10年超であること。
 

②現在住んでいる居住用財産(家屋、家屋と共にその敷地や借地権)の譲渡であること。
※敷地の所有期間が10年超でも、建物を最近建て替えた場合は適用されません
 

③以前に住んでいた家屋や敷地などの場合は、住まなくなった日から、3年目の年の12月31日までに譲渡すること。
 

④前年、前々年の過去2年間にこの特例を受けていないこと。
 

⑤譲渡した居住用財産について、「居住用財産の買換え特例」など、他の特例を受けていないこと。
 

⑥特別の関係(配偶者や親子等)にある人への譲渡でないこと。
 

内容的には所有期間が10年を超えるということ以外は3,000万円特別控除と条件は変わりません。

3,000万円特別控除と併用して適用可能です

所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例は、3,000万円特別控除と併用が可能です。ただ適用可能なタイミングがあり3,000万円特別控除を受けた後に適用されます。
 

尚、軽減税率については譲渡所得が6,000万円を区切りに税率が変わります。
 

・譲渡所得が6,000万円以下の金額・・所得税  10%    住民税 4%   合計 14%
 

・譲渡所得が6,000万円超の金額・・・所得税  15%     住民税 5%   合計 20%
 

他に復興特別所得税(所得税×2.1%)が課税されます。
 

しかしながら、譲渡所得については大半が3,000万円以内になると思われ、3,000万円特別控除のみで十分対応はできるかと思います。つまり所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例を併用するとなるとかなりの豪邸になりますのでこの特例を利用するケースは少ないと思われます。

以上が、所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例となります。昨日の3,000万円特別控除、今回の軽減税率、そして次回は特定居住用財産の買換え特例についてお話ししたいと思います。
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